アフリカの栄養改善活動をフィールドとする協働実践型教育プログラム

Global Agri-Nutrition Leader Program

for African Students



体験談



清水 円さん

 

清水円 写真.jpg


国際食糧情報学部/国際農業開発学科/4年

 

1.     このワークショップに参加した動機

 

 元々2021年度後学期からソコイネ農業大学(タンザニア)へ1年間の長期留学を控えており、ワークショップ(以下、WSと記します)での学びが留学先での様々な活動で役立つと思い応募しました。

また、卒業後には農業を通した国際協力をしたいという漠然とした目標を抱いており、そのためのヒントを得たり、将来像を少しでも具体的にイメージしたりすることができると思ったのもWS参加動機のひとつです。

さらに、「アフリカが抱える課題」といっても各国によってその内容や深刻度も異なると思うので、まずそういった現状を知り、現状を把握したうえで的確に課題を設定する方法、その課題に対して有効な解決策を考案するために必要な仮説の設定方法や検証方法など、課題解決に重要となる総合的なノウハウやスキルを学びたいと思いました。

また、WSでは様々なノウハウを学べるだけでなく学習した内容を効果的にアウトプットする方法も学習できるということで、その点も魅力に感じました。

 

2.     ワークショップの感想

 

 WS期間中は大変だと感じることもありましたが、終わって振り返ってみるととても楽しかったですし、参加してよかったと思っています。具体的に、4時間以上集中力を維持したり(※WS中約5分の休憩あり)、次回WSまでの課題に取り組むためにグループ(4人)の予定を合わせて何回か話し合い(オンライン)の時間を設けたり、ケニアの方にインタビュー(オンライン)を行ったりするのが大変だと感じました。

4時間強のWSを基本的に隔週で5回行ったのですが、WSは内容がとても凝縮されていて長時間頭をフル稼働させるので、WSが終える度にどっと疲労感が溢れました。(歳のせい?笑)しかし、集中力を維持させて効率よく効果的に作業を進めることは社会に出てからも重要になると思うので、学生のうちにその重要性や苦労を体感できるのはありがたいことだと感じました。グループは基本4人で構成されていたのですが、授業やアルバイト、サークル等でメンバーのスケジュールがバラバラなため、それを調整して話し合いの時間を設けるというのも簡単ではなかったです。メンバーのプライベートも尊重しつつ話し合いの場を設ける工夫をするというのもグループワークで必要なスキルの一つだと感じました。実際に私たちのグループでは約2週間(WSと次回WSまでの期間)で、メンタリング(講師から課題の進捗状況のチェックやアドバイスを受けるミーティング)の他に最低2回はチームミーティングを行いました。それに加えてインタビューを行う必要もあったので、あっという間に次のWSの日を迎えるというサイクルの連続でした。インタビューは全て英語で行ったのですが、私の英語力が乏しいせいで、相手の返答内容が理解しきれなかったり、元々用意していたインタビュー内容に追加で聞きたいことが出てきた際にうまく表現できなかったりという場面が多く、もどかしい思いをたくさんしました。恥ずかしい、悔しい、情けない、相手に対して申し訳ないなどの思いを常に感じながら、でもやるしかない!とインタビューに臨んでいました。そうすると回数を重ねるごとにリラックスしてインタビューできるようになり、英語での会話スキルがほんの少し上がったかなとも感じています。(そう思いたいだけかもしれません。笑)

 次にWSの学習内容で特に印象に残っていることを記します。ある課題に対する解決策を考え始めると解決策ばかりに意識が向いてしまい、解決したい課題を見失うことがあるというお話がありました。もちろん話を先に進めていくことはどのプロジェクトにおいても大切なことですが、節々で「解決したい課題」に立ち返って、進行中の解決策とそれを照らし合わせることが重要だと改めて感じました。また特に印象に残っているワークは、解決策に付随する「価値」や「欲求」について考えてみるというワークです。持続可能な解決策を構築するためには、お金はもちろんですが、その解決策(製品やサービス)に関わる人々や組織、環境などがどのような価値や欲求をもっていて、それがどのように連鎖していくのかを考える必要があることも学び、私はなるほど面白い!物事の本質を捉えるうえでとても大切なことだ!と感じ、これは社会に出てどんなお仕事をするうえでも必要で、普段の生活においても様々な人や物、環境、事象などに対して使える思考方法だと思いました。自分たちがどれだけ良いと思って考案した解決策でも実際にそれを受ける人々やそれに関わる様々な要素にとって、バランスよく価値がうまれたり欲求が満たされたりする必要があることを学びました。そのためにインタビューをしたり現場に足を運んで生の声を聞いたり実情を把握したりすることが大切で、その繰り返しによってより奥行きのある解決策が見いだせるのだと感じました。

また、内容に関してたくさんの学びがあったのはもちろん、普段接点のない他学部や他学科の方たちと交流できたこともWSの大きな魅力だと感じました。私はWSを通してチームの皆さんと知り合って仲良くなれて本当に嬉しいですし、何より、私にないスキルを他のメンバーがたくさん持ってくれていたおかげで助けられる場面がたくさんあり、メンバーで補い合えるというのはグループワークの良さだと改めて思いました。ここで得られた繋がりは今後も大切にしていきたいと思っています。

 

3.     チームで設定した課題

 

 ケニアにおいて女性(特に母親)の栄養不足(特に亜鉛)を改善するにはどうすればよいか

 

4.     事業計画概要

 

●プロジェクト名:Akicheka mama Project

(スワヒリ語でAkichekaは笑うの意。母親に笑っていてほしいとの想いを込めて。)

●考案した商品名:Finger millet & Honey powder(シコクビエとハチミツのパウダー)

●コンセプト:手軽に美味しく栄養を!

Finger milletの粉砕の手間が省けて、Finger milletの高い栄養素を摂れて、ケニア人の嗜好に合うようにハチミツで自然な甘みを!

※インタビュー(対象者:中・高所得者)から分かったこと→Finger milletを使った料理はあるが粉末化するのに手間がかかり、高栄養だと知っているものの、幼児に離乳食として与えるぐらいで大人はほとんど摂取しない。そしてFinger milleはフルーツなどより身近な食べ物に比べて高価(都市では入手すら難しい)。ケニアの女性は甘い味が大好きで砂糖を大量に使っている(ケニアで問題となっている糖尿病のリスク増加につながりかねない)。)

●商品概要:

★販売する製品は2種類、顧客は3パターン ある

【理由】

設定した課題に関して、栄養不足に悩んでいる(=解決策を提供したい)のは主に貧困層。

しかし、私たちがインタビューできるのは中・高所得者。

→製品を販売する対象は中・高所得者に設定。(=中・高所得者が求める製品を販売する)

そして、その製品の売り上げの一部を貧困層の栄養改善活動にまわす。

→製品を2種類設定

①寄付付き製品 ※売り上げの5%を貧困層へ(販売対象:首都ナイロビ在住者)

  ②通常製品(販売対象:地方在住者)

 →顧客:①寄付付き製品購入者 / ②通常製品購入者 / ③被援助者

※寄付付き製品の売り上げから得た寄付金は、主に母子を対象に栄養改善活動を行っているNGOやNPO団体へ。(団体に関しては慎重に審査して決める)

 

 

・用途:水、お湯、ミルクに溶かす、ウガリ(ケニアの伝統料理)やおやつ(クッキーやパンケーキ)に混ぜる など。

・初回パッケージとリフィルを用意。refill.png←リフィルイメージ

(環境にもやさしく、繰り返し利用でき、リピーターの獲得にも繋がる。)

・寄付付き製品は、初回パッケージを“限定デザイン”にしてよりオシャレにする。

(インスタ映えや、限定ボトルを持っていることのステータス 狙い)

design.png←寄付付き製品デザインイメージ   product image.png←通常製品イメージ

・価格( ※1KSh=約1円 / サイズ:S-150g(10杯分)・M-240g(16杯分) )

 ①寄付付き製品 初回:S-KSh330 、M-KSh520 / リフィル:S-KSh270 、M-KSh390

 ➁通常製品   初回:M-KSh520 / リフィル:M-KSh390

  ※通常製品を購入する地方在住者は家族の人数が多いと仮定しMサイズのみにした

・近隣のKIOSKやスーパーで購入できる

・大量生産する前に、モールやスーパーなどで試食販売・プロモーションを行う(SNSで製品を発信してくれる人に無料配布など)

 

Project Overview.png

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.     ワークショップ受講前後の自分の変化・成長

 

 上にも少し記しましたが、インタビューに関して回数を重ねるうちにリラックスして臨めるようになり、英語で会話することへの緊張や不安が以前より少し緩和されたように感じます。また、物事全体を俯瞰してみたり、全体のバランスを考えたり、物事の奥にある価値や欲求の連鎖を意識したりしようと思えるようになりました。さらに、限られた時間の中でメンバーと協力しながら効率よくプロジェクトをすすめるスキルも以前より身についたと感じています。

 

 

6.     今後、ワークショップで身に付けた知識・スキルをどのように活かしていきたいか。

 

 留学の予定はなくなってしまいましたが、今後何かしらの活動を通して国際協力に携わりたいと思っているので、その際にこのWSで得た学びを活かしたいです。しかしそうした職種に限らず今回学習した内容は他の分野においても応用できると思うので、普段の生活から意識して色々な場面に落とし込んでいけたらと思います。

 

 



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